こんにちは!今回は、1990年代に一世を風靡した「セガサターン」のホラー&アドベンチャーゲームに大注目してみたいと思います。
90年代半ばといえば、CD-ROMという大容量メディアが登場したことで、ゲームの世界が劇的に進化した時代ですよね。
実写のムービーが流れたり、リアルな3Dグラフィックが動いたり、CD音源の怖いBGMが流れたりと、当時のプレイヤーは初めて味わう臨場感にドキドキしたものです。
中でもセガサターンは、他にはない個性的でちょっとマニアックなホラーゲームがたくさん揃っている、知る人ぞ知る名ハードでした。
この記事では、1994年から1998年にかけてセガサターンで発売された、バラエティ豊かなホラー、サスペンス、ダークファンタジー系アドベンチャーを年代別にピックアップ!
それぞれの作品が持つ魅力や特徴を、当時の思い出を交えながらわかりやすくご紹介していきます。
- 1994年
- 1995年
- 1996年
- 1997年
- 心霊呪殺師 太郎丸(1997年01月17日)
- 天城紫苑(あまぎしえん)(1997年02月14日)
- エリア51 (AREA 51)(1997年02月28日)
- ヘンリーエクスプローラーズ(1997年03月07日)
- NIGHTRUTH Maria(1997年04月18日)
- キャスパー(1997年04月25日)
- マリア 君たちが生まれた理由(1997年06月27日)
- 黒の断章 The Literary Fragment(1997年07月24日)
- バイオハザード(1997年07月25日)
- 古伝降霊術 百物語 ほんとにあった怖い話(1997年08月08日)
- ファンタズム(1997年08月14日)
- ダークシードII(1997年08月29日)
- NIGHTRUTH #3 二つだけの真実(1997年11月20日)
- R?MJ THE MYSTERY HOSPITAL(1997年12月18日)
- 1998年
- さいごに
1994年
1994年はセガサターンのローンチイヤーであり、開発者たちが新たなハードウェアの可能性、特にCD-ROMの恩恵をどのように活かすかを模索していた時期です。初期のタイトルは、複雑なリアルタイム3D演算よりも、事前にレンダリングされた美しい映像を用いた探索体験に重きを置いていました。
真説・夢見館 扉の奥に誰かが…(1994年12月02日)
セガサターンの本体発売からわずか数週間後にリリースされた本作は、メガCD版の精神的続編であり、プラットフォーム初期における独占ホラーアドベンチャーの金字塔です。
プレイヤーは主観視点で、人間の魂が蝶となって彷徨う神秘的かつ不気味な洋館を探索します。
本作の最大の魅力は、当時としては驚異的であったプリレンダリンググラフィックスによって構築された、静寂と狂気が交錯する夢幻的な空間設計にあります。
敵と直接戦闘するような直接的な恐怖ではなく、どこからか聞こえる足音や、美しいがゆえに不気味な蝶の羽ばたきなど、環境音と映像美が融合した心理的な不安感を煽る設計が見事です。
アクション性を排し、純粋な空間探索と謎解きに特化したことで、後の主観視点アドベンチャーゲームの基礎を築いた歴史的意義の深い作品と言えます。
1995年
1995年に入ると、CD-ROMの容量を活かした実写映像(FMV)の導入や、海外PCゲームからの移植、さらには日本国内の「学校の怪談」ブームを反映した作品が多数リリースされました。インタラクティブな映画体験を目指す動きが加速した年です。
ダークシード(1995年07月07日)
スイスのシュルレアリスム画家であるH.R.ギーガー氏が美術・デザインを担当したことで知られる、海外製サイコロジカルホラーの移植作です。
主人公マイク・ドーソンが、見慣れた日常の「現実世界」と、おぞましい生体機械的な「暗黒世界」を行き来しながら、自身の脳内に植え付けられたエイリアンの胚(ダークシード)の孵化を阻止するという絶望的な物語が展開されます。
本作の魅力は、ギーガー特有のグロテスクでありながら官能的なアートワークが画面全体を支配している点にあります。
ポイント&クリック方式の古典的なアドベンチャーでありながら、時間制限の概念が存在し、常にプレイヤーに焦燥感と狂気的な恐怖を与える緻密な心理的圧迫感が特徴です。
学校の怪談(1995年07月14日)
1990年代の日本社会で社会現象となっていた「学校の怪談」ブームを、いち早くコンソールゲームとして昇華させたオカルトホラーアドベンチャーです。
夕暮れから夜にかけての無人の校舎という、日常が非日常へと反転する空間を見事に再現している点が最大の魅力です。
動く人体模型やトイレの花子さんといった普遍的な都市伝説を題材にしつつ、単なる子供向けの怪談に留まらない、薄気味悪いサウンド演出と突発的なビジュアルショックが組み込まれています。
プレイヤーの郷愁を誘う学校という閉鎖空間を利用することで、心理的セーフティネットを剥奪し、身近な恐怖を増幅させる環境ホラーの佳作として評価されています。
Dの食卓(1995年07月28日)
鬼才・飯野賢治氏が手掛け、ゲーム業界に「インタラクティブ・シネマ」という新たなジャンルを確立させた記念碑的作品です。
プレイヤーは主人公ローラとなり、謎の病院から変貌した異空間を探索します。
本作の最大の特徴は、一切のセーブ機能を持たず、ゲーム内時間と現実時間が完全にリンクした「リアルタイムの2時間」で物語を完結させなければならないという、極限の制約を設けた点にあります。
プリレンダリングされたフルCGムービーがシームレスに展開し、映画を自らの手で操作しているかのような没入感を生み出しました。
猟奇的なテーマと、プレイヤーの選択によるマルチエンディング方式は、後続のアドベンチャーゲームに多大な影響を与えました。
学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!(1995年08月11日)
児童向けの人気マルチメディア・フランチャイズをベースにしたジュブナイルホラーアドベンチャーです。
アニメ調の親しみやすいビジュアルを採用しながらも、都市伝説や学校にまつわる怪奇現象を題材にしており、対象年齢層に合わせた適度な恐怖体験を提供しています。
本作の魅力は、テキストを読み進めながら選択肢によって分岐していくオーソドックスなシステムを採用しつつ、アニメーションと音声による演出をふんだんに盛り込んでいる点にあります。
ホラーゲームの入門編としての役割を果たしつつ、子供たちが抱く「暗がりへの根源的な恐怖」を的確に突いたシナリオ構成は、幅広い層に支持される結果となりました。
1996年
1996年は、リアルタイムポリゴン技術とテクスチャマッピングの成熟により、ホラーゲームの表現力が飛躍的に向上した時期です。名作の移植から、セガサターン独自のハードウェア特性を活かした挑戦的なオリジナルタイトルまで、多様なアプローチが試みられました。
クリーチャーショック(1996年01月19日)
SF的要素と生物的な恐怖(バイオホラー)を融合させた、主観視点のアクションシューティングです。
エイリアンの脅威に晒された宇宙船や未知の惑星を舞台に、実写取り込みのムービーとプリレンダリングされた3Dダンジョンがシームレスに交差します。
本作の特徴は、迷路のような薄暗い通路を探索するアドベンチャーパートと、突如現れるグロテスクなクリーチャーを撃退する反射神経重視のシューティングパートが混在している点にあります。
SFホラー映画を彷彿とさせる閉塞感と、いつ敵が襲いかかってくるか分からない緊張感が持続する設計は、後のサバイバルホラーにおける空間演出の先駆けとも言えます。
サイベリア(1996年02月16日)
近未来のディストピアを舞台にしたSFアクションアドベンチャーです。
本作の魅力は、スニーキング、謎解き、そしてレールシューティングといった複数のゲームメカニクスが、高精細なプリレンダリングCGの中で複雑に絡み合っている点にあります。
プレイヤーは潜入工作員となり、極秘施設を探索します。
ムービー再生中に瞬時の判断とボタン入力が求められるQTE(クイック・タイム・イベント)の先駆けのようなシステムを採用しており、一瞬の判断ミスが即死に繋がるシビアな難易度が、テクノロジーの脅威と極限の緊張感を生み出しています。
アローン・イン・ザ・ダーク2(1996年02月23日)
1993年にPC向けにリリースされたサバイバルホラーの先駆的作品を、1996年2月23日にセガサターンへ移植したタイトルです。
1920年代を舞台に、私立探偵エド・カンビーが海賊の亡霊やオカルト勢力と対峙する超自然的なホラー作品です。
固定カメラの視点にプリレンダリングされた背景、そして3Dポリゴンのキャラクターを組み合わせた手法はサバイバルホラーの基礎を築きましたが、サターン版発売の時点では操作性やグラフィックがやや時代遅れになっていたとの評価もあります。
完全な独占タイトルではないものの、ジャンルの歴史を語る上で欠かせないサバイバルホラーの源流に触れることができる重要な作品です。
ホラーツアー(1996年03月29日)
完全主観視点で展開される、非常に特異な探索型ホラーアドベンチャーです。
プレイヤーは迷宮のような異空間に閉じ込められ、シュールで抽象的な映像表現と難解なトラップに立ち向かいます。
本作の最大の魅力は、明確な敵との戦闘ではなく、空間そのものが持つ「不気味さ」や「理不尽さ」によってプレイヤーの精神を消耗させる点にあります。
粗いポリゴンと独特のテクスチャが逆に異次元的な違和感を増幅させており、自力でマッピングを行いながら少しずつ進まなければならない手探り感が、深い孤立感と恐怖を演出しているカルト的な人気を持つ一作です。
七つの秘館(1996年04月05日)
コーエーが放った「謎ベンチャー」と銘打たれた異色の3D探索アドベンチャーです。作家の志茂田景樹氏が企画・原作を手掛け、なんとご本人も実写ムービーでヒントを与える謎の人物として登場します。
最大の魅力は、豪華声優陣の熱演とB級ホラー感あふれる超展開のギャップです。不気味な洋館を一人称視点で進みますが、操作性が独特な上に、一歩間違えると即ゲームオーバーになる理不尽な初見殺しトラップが満載。
粗削りなポリゴン表現とツッコミどころ満載のシナリオが不思議な中毒性を生んでおり、今なお「愛すべき奇ゲー・バカゲー」として語り草になっているカルト作です。
NIGHTRUTH #1 闇の扉(1996年06月28日)
「学園ホラー」というテーマをフルボイスと美しい静止画によって描く、シリーズもののテキストアドベンチャー第一弾です。
日常的な高校生活の裏で進行するオカルト的な事件や、生徒たちの心理的な葛藤に焦点を当てています。
本作の魅力は、プレイヤーの選択によってキャラクター間の人間関係や物語の結末が変化するマルチシナリオシステムにあります。
視覚的なグロテスクさよりも、親しい友人が徐々に狂気に染まっていく様子や、見えない悪意に対するパラノイア的な恐怖をテキストと声優の熱演で見事に表現しており、物語性を重視する日本のプレイヤー層から高い評価を得ました。
月花霧幻譚~TORICO~(1996年06月28日)
サターン独占の3D探索アドベンチャーであり、「幻の月の都市」を舞台にしたシュールで幻想的な作品です。
記憶喪失の主人公が、奇妙な住人たちとの対話を通じて自己のアイデンティティと世界の謎を解き明かしていきます。
本作は直接的な恐怖や敵との戦闘を一切排除しており、その魅力は極めて芸術的な空間デザインと、メランコリックな音楽によって生み出される「夢の中を歩いているかのような浮遊感」にあります。
論理を超越した不可思議な世界観は、プレイヤーに恐怖というよりも深い不安と郷愁を感じさせる、非常にユニークな心理的アドベンチャーです。
デスクリムゾン(1996年8月9日)
セガサターンが誇る、伝説の「クソゲー帝王」ことガンシューティングゲームです。
最大の魅力は、「プレイヤーの理解を完全に拒絶する理不尽さとシュールさ」です。「せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ」という伝説の迷台詞から始まり、全く当たらない照準、意味不明な敵、不快音すれすれのBGMなど、ゲームとしての体裁がほぼ崩壊しています。
しかし、そのあまりの隙の多さと突き抜けた酷さが奇跡的な笑いを生み出し、ツッコミながら遊ぶエンタメとしては最高峰の輝きを放ちます。単なるクソゲーの枠を超え、熱狂的なファン(クリムゾナー)を生み出した愛すべき奇跡の怪作です。
エイリアントリロジー(1996年08月30日)
著名な映画フランチャイズを題材にした、一人称視点シューティング(FPS)です。
映画の世界観を忠実に再現しており、プレイヤーは暗く閉鎖的な宇宙施設内で、フェイスハガーやゼノモーフといった恐怖の地球外生命体と死闘を繰り広げます。
本作の特徴は、純粋なアクションだけでなく、弾薬の徹底したリソース管理と、レーダー(モーショントラッカー)の「ピッ、ピッ」という電子音に依存した索敵システムにあります。
暗闇の中から急速に接近してくる敵の恐怖を、視覚と聴覚の両面から煽る演出は秀逸であり、ホラーとFPSを見事に融合させた名作です。
犯行写真 縛られた少女たちの見たモノは?(1996年10月25日)
オカルトや超自然現象を排除し、人間の狂気や犯罪心理に焦点を当てた大人向けのサスペンス・ホラーアドベンチャーです。
プレイヤーは送られてきた不気味な「犯行写真」を手掛かりに、誘拐事件の真相を推理していきます。
本作の最大の魅力は、証拠の写真を拡大・解析し、わずかな手がかりから推理を組み立てていく緻密な調査システムにあります。
猟奇的な犯罪を匂わせる過激なテキストと、生々しいグラフィックが極度の緊張感をもたらしており、プレイヤーの倫理観や心理を直接的に揺さぶる、コンソール機としては非常に挑戦的でダークな作品です。
エネミー・ゼロ(1996年12月13日)
飯野賢治氏が手掛けた、セガサターンを代表する独占SFサバイバルホラーです。
宇宙船内に出現した「目に見えない敵」に対して、プレイヤーは音の高さや間隔の変化(ピッチと周波数)だけを頼りに敵の位置と距離を測り、迎撃しなければならないという革新的かつ実験的なシステムを導入しました。
この極端なサウンドデザインによる索敵システムは、プレイヤーに類を見ない絶望的な緊張感を強いるため、評価は愛憎が二極化する非常に賛否両論の作品となりました。
しかし、その圧倒的な音響演出と極限の恐怖体験は、今日でも伝説として語り継がれています。
ゲゲゲの鬼太郎 幻冬怪奇譚(1996年12月13日)
日本国民に親しまれている水木しげる氏の妖怪漫画を原作としながら、非常に本格的なホラーテイストを取り入れたアドベンチャーゲームです。
実写のジオラマを取り込んだ背景に2Dスプライトのキャラクターを配置することで、人形劇のような独特の不気味さと温かみが共存するビジュアルを実現しています。
原作が持つ「妖怪の恐ろしさとユーモア」のバランスを絶妙に保ちながら、選択肢を誤ると即座にバッドエンド(死)に直結するシビアなアドベンチャー要素を含んでおり、キャラクターライセンスを用いたホラーゲームとして極めて完成度の高い一作です。
1997年
1997年は、サバイバルホラーのフォーマットが世界的に確立される一方で、セガサターンではライトガンを用いたアーケードライクなホラーシューティングや、徹底的にシナリオの分岐を楽しむサウンドノベル系ホラーが多数登場し、独自の発展を遂げた年です。
心霊呪殺師 太郎丸(1997年01月17日)
封建時代の日本を舞台にした、圧倒的な描き込みの2.5D和風ホラーアクションゲームです。
セガサターンの限界に挑んだかのような美麗な2Dスプライトと、ダイナミックに回転する3D背景が融合しており、現在ではプレミア価格で取引される希少なタイトルとして知られています。
プレイヤーは霊力を用いて敵をロックオンし浄化する独特の戦闘システムを駆使し、巨大でグロテスクな妖怪や悪霊のボスと戦います。
アーケードライクな高い難易度と、日本古来の呪いや土着信仰をベースにした禍々しい美術デザインが、唯一無二のダークファンタジー世界を構築しています。
天城紫苑(あまぎしえん)(1997年02月14日)
1997年2月14日にリリースされた、18歳以上対象の大人向けホラーアドベンチャーです。
閉ざされた環境で発生する不可解な事件と、複雑に絡み合う人間ドラマ、そしてオカルト要素が融合した重厚な物語が展開されます。
本作の特徴は、プレイヤーの選択肢が物語の展開だけでなく、登場人物の生死や精神状態にダイレクトに影響を与える点にあります。
残酷な描写や心理的トラウマといった成熟したテーマを真正面から描いており、じわじわとプレイヤーの精神を蝕んでいくような、文学的かつ陰鬱なホラー体験を求める層から高く評価されました。
エリア51 (AREA 51)(1997年02月28日)
アーケードからの移植となる、B級SFホラーテイスト満載のガンシューティングゲームです。
プレイヤーは極秘施設「エリア51」に突入し、実写取り込みで表現されたエイリアンやゾンビ化した職員たちを撃ち倒していきます。
本作の魅力は、複雑な謎解きやリソース管理を一切排除し、純粋な反射神経と銃撃の爽快感に特化している点にあります。
実写の敵キャラクターが撃たれて派手に飛び散る様は、90年代のアーケードカルチャー特有の過剰な演出であり、サスペンスや探索が続くホラーライブラリの中において、極めて即物的でアドレナリンを分泌させる貴重なアクション枠として機能しました。
ヘンリーエクスプローラーズ(1997年03月07日)
同じくガンシューティングというジャンルに属しながら、こちらはミイラやスケルトン、巨大な神話の怪物などが登場する王道のオカルトホラー世界を舞台にしています。
本作の最大の特徴は、ステージの途中でルートが複数に分岐するシステムを採用しており、プレイヤーの選択によって全く異なるステージやボスが待ち受けている点にあります。
画面を埋め尽くすほどの大量の敵が迫り来る圧迫感と、罠が張り巡らされた遺跡のビジュアルは、B級ホラー映画の主人公になったかのようなカタルシスを提供し、ガンコントローラーとの相性も抜群でした。
NIGHTRUTH Maria(1997年04月18日)
学園ホラーアドベンチャー「NIGHTRUTH」シリーズの続編であり、前作で構築されたオカルト的な神話体系をさらに深掘りした作品です。
前作同様、テキストと音声による物語の進行が主軸ですが、本作ではキャラクターの心理描写や、疑心暗鬼に陥る生徒たちのドロドロとした人間関係がより一層克明に描かれています。
直接的な化け物の恐怖よりも、信じていた他者が突如として狂気を剥き出しにする「人間自身の恐ろしさ」や「洗脳の恐怖」にフォーカスしており、連続ドラマを視聴しているかのような高いストーリーへの没入感がプレイヤーを魅了しました。
キャスパー(1997年04月25日)
同名のハリウッド映画を原作とした、見下ろし型(アイソメトリック)のアクションアドベンチャーです。
可愛らしい幽霊のキャラクターデザインから子供向けと思われがちですが、実際は広大な洋館の中を探索し、アイテムを駆使して仕掛けを解いていく非常に硬派で探索要素の強いパズルゲームです。
プレイヤーは壁を通り抜けたり、様々な形に変身したりする幽霊ならではの能力を使い、洋館に隠された秘密を解き明かします。
直接的な恐怖描写はないものの、不気味な洋館の雰囲気と、迷路のような空間構造が心地よい緊張感をもたらす秀作です。
マリア 君たちが生まれた理由(1997年06月27日)
画面全体にテキストが表示される「サウンドノベル」の形式を採用しつつ、人間の存在意義や狂気といった深いテーマに切り込んだ異色のホラーアドベンチャーです。
本作の魅力は、プレイヤーの些細な選択がフラグとなって複雑に絡み合い、登場人物たちの運命を大きく狂わせていく緻密なシナリオ分岐システムにあります。
静止画の背景と不気味な環境音、そして圧倒的なテキスト量によって構成される物語は、時に猟奇的であり、時に哲学的な問いをプレイヤーに投げかけます。
何度もプレイを重ねて真実に辿り着くという、サウンドノベルの持つ探究の面白さを極限まで高めた作品です。
黒の断章 The Literary Fragment(1997年07月24日)
ハードボイルドな探偵ものと、クトゥルフ神話をベースにしたオカルトホラーを見事に融合させたサスペンスアドベンチャーです。
猟奇的な連続殺人事件を追う中で、プレイヤーは人間社会に潜むおぞましい邪神の影に直面することになります。
本作の特徴は、凄惨な死体や狂気に満ちた儀式の様子を、大人向けのダークで緻密なグラフィックで容赦なく描き出している点にあります。
推理による証拠集めと、理解を超える超自然現象への恐怖が交差する展開は、クトゥルフ神話特有の「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」をコンソール機で見事に表現した傑作として名高いです。
バイオハザード(1997年07月25日)
言わずと知れたサバイバルホラーの金字塔であり、他機種で爆発的なヒットを記録した後にセガサターンへ移植された作品です。
ラジコン操作と呼ばれる独特の移動システム、限られた弾薬と回復アイテム、そして固定視点による死角の恐怖といった、ジャンルの絶対的な基礎を築き上げました。
サターン版の最大の特徴であり魅力は、専用の「バトルゲーム」モードが追加されている点にあります。
さらに、新たな敵キャラクター(ティックス等)や2体目のタイラントとの戦闘など、オリジナル版を遊び尽くしたプレイヤーに対しても新たな恐怖と挑戦を提供する独自のチューニングが施されています。
古伝降霊術 百物語 ほんとにあった怖い話(1997年08月08日)
日本古来の「百物語(怪談を100個語り終えると本物の怪異が現れるという遊び)」をモチーフにした、実写映像主体(FMV)のホラーアドベンチャーです。
プレイヤーは霊媒師とともに儀式に参加し、実写で語られる様々な怪談話の映像を視聴しながら、迫り来る霊的な現象に対処していきます。
本作の魅力は、ゲームというよりも「参加型の心霊ドキュメンタリー」を体験しているかのようなリアルな恐怖にあります。
実写だからこそ生み出されるチープさと、日常の延長線上にあるような生々しさが相まって、深夜に一人でプレイするには極めて勇気を要する独特の雰囲気を持っています。
ファンタズム(1997年08月14日)
アドベンチャーゲームのパイオニアであるロベルタ・ウィリアムズ氏が手掛けた、CD-ROM複数枚組に及ぶ超大作フルモーションビデオ(FMV)ホラーです。
小説家の主人公が購入した古い館で、過去に起きた凄惨な猟奇殺人の幻影に苛まれていく物語です。
本作の最大の魅力であり特徴は、莫大な予算を投じて制作されたハリウッド映画並みの実写映像と、ポイント&クリックによる緻密な謎解きが融合している点にあります。
過激なゴア表現や残酷な演出がふんだんに盛り込まれており、実写ゲームが到達したひとつの極致として、その圧倒的なビジュアルショックは今なお語り草となっています。
ダークシードII(1997年08月29日)
ギーガーの悪夢的なアートワークで話題を呼んだ「ダークシード」の直接的な続編です。
主人公マイクは再び「暗黒世界」の脅威に巻き込まれ、現実と狂気の境界線がさらに曖昧になっていきます。
本作では前作以上に精神的トラウマや心理的抑圧といった深いテーマが掘り下げられており、謎解きの難易度やマップの広さも大幅にスケールアップしています。
ギーガーがデザインしたおぞましくも美しい生体機械的なクリーチャーや背景の数々はさらに高精細になり、不条理でシュールなパズルを解き明かすカタルシスと、常に監視されているかのようなパラノイア的恐怖を同時に味わえる傑作です。
NIGHTRUTH #3 二つだけの真実(1997年11月20日)
学園ホラー「NIGHTRUTH」シリーズの完結編です。
これまでのシリーズで張り巡らされてきたオカルト的な伏線と、生徒たちの複雑な人間関係の謎がすべて解き明かされます。
システムの基本構造はこれまでのビジュアルノベル形式を踏襲していますが、完結編にふさわしく、プレイヤーの決断がもたらす結果はより深刻で後戻りのできないものとなっています。
長期間にわたってシリーズを追体験してきたプレイヤーに対する感情的なカタルシスは非常に大きく、学園という閉鎖空間における集団心理の恐ろしさと、超自然的な恐怖を最後まで描き切った手腕は高く評価されています。
R?MJ THE MYSTERY HOSPITAL(1997年12月18日)
謎のウイルス発生や災害によってパニック状態に陥った巨大病院からの脱出を図る、脱出型パニックホラーアドベンチャーです。
本作の魅力は、超自然的な怪物ではなく「閉鎖空間でのパニック」「未知の感染症」「時間制限」といった、極めて現実的な恐怖を題材にしている点にあります。
主観視点で病院内を探索し、限られたアイテムを組み合わせて活路を開く謎解き要素と、刻一刻と状況が悪化していく中で生存者たちと協力する人間ドラマが展開されます。
現代の「脱出ゲーム」の先駆けとも言える、緊迫感に満ちたシステムが特徴です。
1998年
プラットフォームが成熟期から末期へと差し掛かる1998年には、開発者たちがハードウェアの限界を完全に掌握し、システムに特化した独占的なサバイバルホラーや、ジャンルの垣根を越えた実験的な傑作が次々と誕生しました。
金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼(1998年01月15日)
人気漫画を原作としながらも、ゲームの構造そのものに革新的な反転をもたらした傑作サスペンスアドベンチャーです。
本作の最大の魅力は、プレイヤーが探偵となって事件を解決するのではなく、「犯人(復讐鬼)」となって緻密な殺人計画を立案・実行し、名探偵である主人公の目を欺きながら完全犯罪を目指すという逆転のシステムにあります。
アリバイ工作や証拠隠滅のロジックをパズルのように組み立てる戦略性と、いつ探偵に暴かれるか分からないというスリリングな緊張感が、従来のミステリーゲームにはない全く新しい知的興奮を提供しました。
慟哭 そして…(1998年02月26日)
「密室からの脱出ホラー」と「恋愛シミュレーション」という、一見相反する要素を見事に融合させた画期的なアドベンチャーゲームです。
プレイヤーは猟奇的なトラップが仕掛けられた館にヒロインたちと共に閉じ込められ、謎を解いて脱出を試みます。
本作の特徴は、探索や選択肢を誤ると、好感度を高めていたヒロインが容赦なく惨殺されるという極めて残酷なシステムにあります。
恋愛ゲーム特有の「キャラクターへの愛着」を利用して喪失の恐怖を最大化させており、緊迫した制限時間イベントの中でヒロインを救い出したときの安堵感は、他のゲームでは味わえない強烈なカタルシスをもたらします。
ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド(1998年03月26日)
アーケードで絶大な人気を誇ったホラーガンシューティングの、当時としては待望のコンソール独占移植作です。
遺伝子操作によって生み出されたおぞましいゾンビやミュータントの群れを、ライトガンを用いて次々と部位破壊していくという爽快感と残虐性が同居する体験を提供します。
本作の魅力は、プレイヤーの腕前や特定条件によってルートが分岐するリプレイ性の高さと、画面の奥から猛スピードで迫り来る敵をギリギリで撃ち落とすアドレナリン全開のアクション性にあります。
パズル要素の強いサバイバルホラーとは異なる、反射神経に直結した恐怖の頂点です。
バロック(1998年05月21日)
大熱波によって歪んでしまった終末世界を舞台にした、主観視点のダークファンタジー・ローグライクRPGです。
入るたびに構造が変化する「神経塔」と呼ばれるダンジョンを、異形の怪物「異形」を倒しながら下層へと進んでいきます。
本作の最大の特徴は、一切の救いがないメランコリックな世界観と、プレイヤーが「死ぬこと」によって物語の謎が少しずつ解明されていくというメタ的なシステムにあります。
アイテムの識別や満腹度(VT)の管理といったローグライクの厳しさと、ノイズにまみれたサウンド、奇形的なキャラクターデザインが生み出す極度の孤独感は、プレイヤーに深い精神的没入を強います。
リンダキューブ 完全版(1998年6月18日)
PS1版『アゲイン』の翌年に発売された、文字通りの「完全版」となるセガサターン移植作です。
最大の魅力は、PS1版でマイルドに規制された「猟奇的でグロテスクな表現」の復活です。生々しい流血や欠損などの過激な描写がオリジナル(PCエンジン版)準拠に戻っており、本作の真骨頂であるサイコホラーとしての狂気や胸糞悪さがフルに引き出されています。
もちろん、ダッシュ機能や遊びやすいUIなどPS1版で改善された快適なシステムはそのまま継承。倫理観を揺さぶるトラウマシナリオを、最高のプレイ環境と無修正のビジュアルで極限まで堪能できるシリーズの決定版です。
悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲(1998年06月25日)
ホラーを基調としたゴシック・アクションRPGの最高峰であり、2D探索型アクションの歴史を塗り替えた傑作のサターン移植版です。
主人公の吸血鬼アルカードを操作し、広大な悪魔城を探索しながら能力を拡張していく「メトロイドヴァニア」スタイルの完成形と言えます。
本作のサターン版独自の魅力は、他機種版にはない広大な追加エリア(地下庭園など)や、マリア・ラーネッドをプレイヤーキャラクターとして使用できる点など、多数の専用要素が追加されていることにあります。
荘厳なクラシック音楽と、滑らかに動く美しいドット絵が織りなすゴシックホラーの世界は、芸術的な完成度を誇ります。
DEEP FEAR (ディープ フィアー)(1998年07月16日)
セガサターン末期に投下された、プラットフォームを代表する完全独占のサバイバルホラー作品です。
洋館や市街地ではなく、深海の密閉された研究施設を舞台にしている点が非常に斬新です。
本作最大のシステム的な特徴は「酸素(エア)の管理」です。
プレイヤーはクリーチャーの脅威だけでなく、エリアごとに減少していく酸素濃度を常に気にしながら探索を進めなければなりません。
また、銃を構えたまま移動できるシステムや無限のアイテム収納ボックスなど、先行するサバイバルホラーの不便な点を徹底的に解消した快適な操作性を実現しており、恐怖と遊びやすさを両立させたサターン・ホラーの集大成です。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
1994年から1998年という短い期間でありながら、セガサターンにはこれほどまでに多彩で挑戦的なホラーゲームが集まっていました。
実写映像を取り入れた生々しい恐怖から、見えない敵を音で探る斬新なシステム、さらにはじわじわと精神を削るサウンドノベルまで、開発者たちがいかに「プレイヤーを怖がらせるか」に情熱を注いでいたかが伝わってきますよね。
海外製のパニックホラーだけでなく、日本の都市伝説やじめっとしたオカルトミステリーがたくさん共存していたのも、セガサターンならではの大きな魅力です。
今のリアルなホラーゲームももちろん素晴らしいですが、この時代のゲームが持っていた「手探り感」や「独特の不気味さ」は、今遊んでも新鮮な驚きを与えてくれます。
気になったタイトルがあれば、ぜひチェックしてみてくださいね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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